「逃げるなら前へ!」(中学2年生から不登校、男子)

私は、間も無く高校を卒業します。高校はほとんど欠席をすることなく、勉強に部活動に取り組むことができました。来春からは大学生としての生活がスタートします。相変わらず人見知りな性格は変わりませんが、それでも高校3年間をやり通せたことは自分の自信になりました。

そんな私が不登校になってしまったのは、中学校2年生の時でした。ただなんとなく中学校に進学し、ただなんとなく流されるように毎日を過ごしていました。当時の自分には「自分の意思」というものがほとんどなかったと思います。

「学校に行くのは当たり前で、みんなと勉強するのは当たり前。」何も考えずにただ流れに身を任せていました。

冬にインフルエンザで学校を1週間ほど休んだ時から、何かが少しずつ変わっていきました。「学校に行かない1週間」が私の中で「当たり前」と思えるようになってきたのです。ただのんびりと家の中で過ごすことがとても居心地のいいように感じていました。

インフルエンザから2週間が過ぎた頃、さすがに私の親も「これはオカシイ」と感じ始めたようで、盛んに「学校に行け!」と強く言うようになってきました。ある時は、手を引っ張ってむりやり車に乗せて、顔を叩かられ、背中を蹴られて、校門まで連れて行かれました。

私は、必死で逃げました。

そこから、とにかく親から逃げる生活が始まっていきました。何度も無理やり連れて行かれることがとても辛かったです。連れて行かれそうになるとトイレにこもったこともありました。親の車の鍵を隠したこともありました。

毎日、毎日泣いていました。学校に行かないことよりも、親に無理やり連れて行かれることが何よりも嫌だったからです。

「もう、嫌だ!!!!!!」

中学2年生の終わり頃、私は無理やり連れて行こうとする親から逃げ切ることに成功しました。その方法が「自分から学校に行く」ことでした。後ろに逃げるんじゃなくて、前に逃げてやろうと思ったからです。それから毎朝、逃げるように学校に行きました。

高校進学を決めるときも、親から逃げるために「全寮制に行く」と自分から決めました。気がつくと、親は私を追いかけてこなくなっていました。何も言わずに好きにさせてくれるようになりました。親と争うこともなくなって来たのです。

いま、不登校で悩んでいる皆さんに言いたいことは「前に逃げろ!」ということです。後ろ向きに逃げると、何度もなんども追いかけて来ます。でも、私たちが全力で前に逃げれば、誰もついてこれないんです。

 

(高校3年生男子)

 

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