「人は変われる」(中学2年生から不登校、女子生徒)

「人は変われる」ということを実感させてくれたのが、私の不登校経験だと思っています。わたしは、不登校を抜け出すまでは自分のことを、ネクラで人見知りだと思っていました。

学校に行っていない間は、とにかく人と会うことが怖くて先生が家庭訪問してくれても会うことはありませんでした。また、家の前が通学路で、知り合いの声が聞こえてくるのでビクビクしながら通学の時間帯を過ごしていました。どこで知り合いに出会うかもわからないので、ほとんど外出することもありません。はじめのうちは外出しても、車から降りることはできませんでした。それでも誰かに見られる恐怖から、いつもマスクをしていました。

不登校になった原因の一つが、クラス女子の人間関係にうまく合わせていくことができなかったからです。みんなはどんどん明るく大人になっていくのに、私はただ笑顔で横にいるだけでした。

そんな、いつも人から逃げていた私が「変わった」のです。自分から友達や後輩に話しかけたり、文化祭の部署責任者を任せられるようにもなってきました。 変わるきっかけを与えてくれたのは、青山高校のオープンキャンパスで案内をしてくれた一人の先輩でした。

オープンキャンパスに参加した私は、ほとんど自分から喋ることはできませんでした。でも、その案内をしてくれた先輩がやさしく話しかけてくれても、返事をするくらいしかできませんでした。寮の見学をしていた時に強い風が吹いて、立てかけてあった案内板が倒れました。私が一番近くにいたので、それを再び立て掛けようとしました。するとその先輩が「偉い!すごい!」って褒めてくれました。周りにいた生徒も「よく気がつくね」と褒めてくれました。

このことをきっかけに、その日のオープンキャンパスは楽しく過ごすことができました。久しぶりに多くの同年代の女子生徒と喋ることができました。帰り道に思ったことは「あの先輩みたいになりたい」ということでした。あの先輩みたいに、他人を素直に褒めることができる人になりたいと強く思いました。

私も気がつけば高校3年生です。寮やクラブで後輩がたくさんできました。オープンキャンパスで案内をすることもあります。あの先輩のようになれたかはわかりませんが、人見知りで「人がこわい」と言っていた私はもういません。「人は変われる」ということが不登校を通じで私が学んだことです。

 

 

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