【体験記】「先生のおかげで戻れた」(中学2年時に不登校)

僕が不登校になったのは、クラブ活動の人間関係からでした。部活に理不尽な先輩がいて、いろいろ言ってきました。僕が集中的にイジられていたので、周りの友達も同じような目で見てきました。

中2の1学期はそれでも我慢して行っていましたが、夏休みの練習をサボってからはクラブ活動には全く行かなくなり、学校に行くことが怖くなってしまいました。きっとクラブや教室で僕のことを喋っていると思ったからです。

不登校になったとき、お母さんにはとても叱られました。「早く起きなさい!」「学校に行きなさい」というやりとりがしばらく続きました。お母さんがすごく怖い時期があって、顔を合わせないようにしていました。ずーっと部屋に引きこもって、ゲームやYouTubeを見て過ごしていました。何もしていないと学校のことを思い出すので、スマホの中に逃げ込んでいたのだと思います。

しばらくすると、学校の先生(適応教室)が家にやってきました。初めて話す先生でしたが、とても優しくて話しやすい先生でした。その先生は「学校に行こう」とは言いませんでした。趣味の話をしたり、YouTuberの話をして盛り上がりました。

それから、何回もその先生は家に来てくれました。「元気してる?」「昨日のYouTube見た?」と少しおしゃべりをして帰って行きました。先生は別室登校の教室にいるということを聞いていたので、そこに行きたくなりました。

中学2年生の3学期に入って、別室登校を少しずつ始めました。別室では先生が宿題王林とを一緒にしてくれたりしました。部活の先生なども来てくれて、話をしたり運動したりしてくれました。僕が学校に行くようになると、家族の態度が「叱る」から「応援」に変わって行きました。毎日怒っていたお母さんの表情が明るくなったことが嬉しかったです。

お父さんも、休みの日になると「隣街に美味しい焼肉店があるから、食べに行こう!」と行って連れ出してくれました。やっぱりまだ友達や同級生・先輩に会うのは怖かったので、知り合いのいないところに連れて行ってくれるのはすごく嬉しかったです。

周りの人たちに良くしてもらっていたことはとても感謝していたので、心の中で「中3になったら教室に戻る!」という気持ちが大きくなっていました。

 そして、僕は、教室に戻りました。

 

友達からなんて言われるか。先生からどんな目で見られるか。そればかり心配していましたが、想像以上に「普通」でした。半年以上教室にいなかったはずなのに、ずーっといたかようのに普通に接してくれました。そこからは、休むことも多かったですが、なんとか登校できました。

僕の性格として、人から何か言われたら必要以上に気にしてしまいますし、それを引きずってしまうことがあります。お母さんからは「気にしすぎ!」と言われますが、性格なので変えようがありません。学校に行って、ちょっとショックなことがあるとすごく疲れて翌朝起きられないことがありました。

ある日、担任の先生から「そろそろ進路を決めなさい。でも、君は欠席日数が多いから、公立高校は難しいと思う。」と言われました。その言葉でショックを受けましたが、高校には行きたいという思いがあったので、自分でインターネットでいくつかの高校を調べました。その中でも、不登校の子に対応していて、自分を変えることのできる学校を見つけました。

お父さんに「三重県の寮の学校に見学に行きたい」と相談したら「良いよ。行ってみよう」と快く承諾してくれました。寮生活ということで不安も大きかったですが、実際に見学をしてみて良かったです。自分の目で見て、先輩たちと話をして、この学校ならやっていけると思って入学を決めました。

今では、高校2年生になって学校行事の実行委員として充実した高校生活を送っています。部活動やサークル活動も楽しんでいます。この学校には理不尽な先輩もいませんし、何より友達がたくさん出来ました。親元を離れて生活することで、メンタル面で大きく成長できました。

今の自分があるのは、中学校の別室教室の先生のおかげです。高校をちゃんと卒業して、先生みたいに人の役に立てる人物になりたいと思っています。

(高校2年生)

 

 

 

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