【体験記】宿題が終わらなくて
私は小学校のころから少しずつ学校を休むことがありました。1日休んだり、1週間休んだり、長い時は1ヶ月くらい行かないこともありました。そして、中学校に入学してからは、少しの間はがんばって行きました。でも、中学1年の夏休みが終わり2学期になると、完全に行けなくなりました。
夏休みの宿題が終わらなかったことがきっかけでした。
ほかに特に嫌なことがあったわけでもなく、学校以外で友だちと遊ぶこともあり、普通に接することができました。中学校では部活動が、自分には合わなく少し嫌だと思いましたが、学校に行けなくなるほどではなかったと思います。厳しく指導される先生がいたということもありません。きっかけは思い出せないくらい些細なことだったのかもしれません。
ただ「宿題が終わっていないので、学校に行けない。」と強く思ってしまったことが原因だと思います。でも、そこから宿題に手をつけることはほとんどなく、夏休みの延長でダラダラと過ごしていきました。そんな生活を続けているうちに、生活のリズムが崩れ、
朝に起きることができなくなり、夜遅くまで起きていることが多くなりました。
ゲームをしたり動画をみたりして過ごしていました。担任の先生が家に来てくれることもありましたが、恥ずかしくて顔を合わせることができませんでした。もちろん友達にあわす顔もありません。親はいろいろと心配をしていましたが、本当の原因は誰にも言えずにいました。実はこの作文で初めて告白をしているのです。
でも、今思えば、宿題ができないから休んだのではなく、宿題ができていないことを”口実”に休んだのだと思います。学校に行くとなんとなく面倒くさいなあとおもっていたのでサボってやろうという気持ちがあったのだと思います。
そんなちょっとした気持ちが、中学校の2年間を無駄にしてしまいました。
中学校3年生の時期になると、さすがに進路がまずいことになっていきました。このままでは普通の生活ができなくなると思い、家族の勧めもあり、寮の学校の見学をしました。私は意思が弱いので、環境を変えないと変われない、成長できないと思っていたからです。
高校のオープンキャンパスに参加をした時に、案内をしてくれた先輩の言葉が心に残りました。
じゃあ、寮に入ったら?変わるから。
笑顔でサラッと言われた言葉は今でも覚えています。寮生活というと、すごくハードルが高い感じがしていましたが、あまりにも簡単に言われたので、びっくりしました。そして高校は寮生活をすることを選択しました。
おかげで今までの乱れた生活を治すことができました。朝は6時に自分で起きることができるようになりました。今でも学校に行きたくないと思うことはあります。それでもがんばれるのは、今まで迷惑をかけてきて、私を支えてくれた家族のおかげです。そんな家族のために、今、私ができることは、将来の目標を持ち、その実現に向かって努力することです。
そして、この学校ではすることがたくさんあります。休もうと思っても、私が休むと友達が困るかな・・と思うと体が自然と動くようになりました。将来、大学に進学して経営を学びたいと考えています。そのために、今できることを精一杯していこうと思います。まずは学習面での遅れを取り戻し、さらに英語の能力を高めていきたいと考えています。
オープンキャンパスで案内してくれた先輩の言葉は今なら実感できます。本当に変われました。
(高校2年生男子)